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こんにちは!こんばんは!おはようございます!
営業設計の藤本です。
先週からシリーズで『高断熱高気密』について
お送りしております。
住宅業界ではおなじみのフレーズのようであって、
その実、いまいちその基準がわかりにくい概念です。
今回は断熱をめぐる「これまで」の流れについて
触れていこうと思います。
この『高断熱・高気密』というフレーズ、
私、藤本が住宅業界に入った2000年代初頭には
もう存在していました。
そんな頃から?と思われるかも知れませんが、
日本の住宅で、「高断熱・高気密」という概念が生まれたのは、
昭和後期~平成初頭くらいと言われています。
夏涼しく、冬暖かい、省エネなお家を建てたい!
とお考えの方は、
『断熱等級』という言葉をご存じかと思います。
正式な名称は、「断熱等性能等級」といい、
住宅の断熱性能がどのくらいかを示すもので、
国土交通省が1999年(平成11年)に制定した、
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」
において設けられました。
1980年(昭和55年)エネルギーの使用の合理化等に関する法律
↓ (省エネ法)による
↓ 省エネ基準→【≒等級2】
↓
1992年(平成4年)新省エネ基準→【≒等級3】
↓
1999年(平成11年)住宅の品質確保の促進等に関する法律
↓ (品確法)成立。
↓ 次世代省エネ基準→【≒旧等級4】
↓
2013年(平成25年)一次エネルギー消費量基準追加
↓ →【≒旧等級4】
↓
2016年(平成28年)冷房期の日射熱取得率基準変更
↓ →【≒現行の等級4】
↓
現代へつづく
その頃は、断熱等級は4つの等級に分けられており、
【等級4】が最高等級の住宅でした。
実際私も、住宅営業マンになりたての20歳代の頃は、
勤めていた建築会社がそこそこ断熱気密にこだわった
家づくりを推進していたこともあり、
「最高等級の4です!!」と自信満々で資料説明し、
営業していたことを覚えております。
【等級4】は長期優良住宅の認定基準にもなっており、
「複層ガラス」「樹脂サッシ」が世間一般に認知され、
普及していった、そんな時代でした。
ですが実際のところ、
そこでうたっている基準は今までの基準が低すぎただけで、
他の先進諸国と比べて、さほど高いものではありませんでした。
【等級4】は、2013年(平成25年)、2016年(平成28年)に
新たな基準が制定されましたが、
平成11年の「次世代省エネ基準」と
ほとんど変わっていませんでした。
つまりは、日本の断熱基準は20数年前のものが
ほぼそのまま放置されており、
近年では、最高レベル【等級4】でさえ、
先進国の中では最低で、「犬小屋レベル」
と揶揄されるようになりました。
しかもその基準は守らなければならない「義務」ではなく、
言わば努力目標のような位置づけだったため、
日本では、キッチン・ユニットバス等の
設備の見た目のゴージャスさで家の優劣を競い、
光熱費やメンテナンス費用等のランニングコスト無視で、
目先の価格だけ優先された、
「ローコスト住宅」の群雄割拠の時代を迎え、
「冬寒く夏暑い」住宅が大量に供給されていった訳です。
なーんてこったい。。。
次週は、断熱等級の「これから」について触れていきます。
その③につづく…