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藤本

05/19(日)

シン・高断熱高気密の時代【完】 ~HEAT20と快適な家づくりを目指して~

こんにちは!こんばんは!おはようございます!
営業設計の藤本です!

高断熱高気密についてのこのシリーズも今日で完結です。

 

前回は断熱等級において、
2022年に3つの等級が新設されたあたりまでのお話でした。
これは、気候変動問題の解決に向けて世界規模で取り組んでいる、
「2050年カーボンニュートラル」という目標を
実現するための取り組みでした。
住宅の断熱性能を上げることで排出する炭素量を減らし、
将来的な脱炭素化を目指そうという話でしたね。

これにより、来たる2025年には、断熱等級4の義務化、
さらに、2030年には、省エネ基準の水準がさらに引き上げられ、
断熱等級5≒ZEH水準の住宅が義務化となる予定です。

ZEHとは、「Net Zero Energy House」の略で、
「省エネ」と「創エネ」を組み合わせて、
家庭の年間のエネルギー消費量を、
正味(ネット)でゼロ以下にする住宅の事です。
具体的には、住宅の断熱性能を向上し、
使用するエネルギー以上の太陽光発電等の再生可能エネルギーを
導入すればできます。

国内では、東京都、京都府をはじめとして、
神奈川県川崎市、群馬県、横浜市など、
太陽光発電の設置義務化を表明、
もしくは検討している自治体の動向が話題になっていますね。

 

本連載の一番最初に、
アンカーホームデザインが目指している、
「高断熱高気密」とは、
「断熱等級6≒HEAT20 G2グレード」のことです、
とお伝えしました。

「HEAT20」とは、
2009年発足した、
「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略で、
研究者と住宅・建材生産団体の有志で構成されています。
同団体が設けた建築物の省エネルギーと室温の
2つを指標とした外皮性能水準の事です。

住宅の外皮とは、屋根、天井、壁、床、窓、ドアなど、
住宅の内と外の境界になる部分の事です。
外皮性能とは、住宅の外皮の断熱性能や日射遮蔽性能等をあらわす用語で、
外皮性能が高いほど、住宅内外で熱の出入りが起こりにくくなります。

豊かな暮らし実現のために、
理想的な室内の温熱環境を目指して考案されました。
ZEH水準よりも厳しい、
G1・G2・G3の3段階の住宅外皮水準を制定しています。

断熱等級を決定する要素として、
「Ua値」「ηac値」という2つの数値で決定されます。

「Ua値」とは、「外皮平均熱貫流率」のことで、
室内と外気の熱の出入りのしやすさを示す指標です。
Ua値が小さいほど住宅の断熱性は高まり、断熱等級も上がります。

「ηac値」とは「冷房期の平均日射熱取得率」のことで、
太陽から日射熱の室内の入りやすさを示す指標です。
ηac値が小さいほど遮熱性能が高まり、
夏季の一次エネルギー消費量を削減できます。

また、日本列島は北は北海道、南は沖縄まで、
地域によって気候条件は変わります。
地域ごとの気候差を考慮して「地域区分」が設定され、
達成すべき「Ua値」と「ηac値」の基準値が異なります。

断熱等級を高めることで、その家に住む人にとっても、
さまざまなメリットが得られます。

■快適な室内環境になる。

■節電・節約ができる。

■手足の冷え、のどの痛み、ぜんそく、アレルギー性皮膚炎等の
 健康改善が期待できる。

■建築費用について、補助金を受けられる可能性がある。

■ヒートショックの軽減につながる

等…。(詳しくは、弊社HPの「VOICE・お客様の声」をご覧ください。)

 

ここまで、断熱等級について長く語ってまいりましたが、
要は、「高断熱高気密、標準装備~!」といっても、
断熱等級4を目指して現行の省エネ基準さえ満たせばいいんだ、
ということではなく、
その中身を精査して、家づくりを考えていかないと、
建ててわずか数年で資産価値がガタ落ちする、
旧スペックなお家になってしまいますよ!
ということなのです。

そして、家族の健康維持や、毎日の快適性に加え、
地球温暖化に伴う猛暑日の増加も考えると、
これからの家づくりは、
等級6≒「HEAT20 G2グレード」
ひとつの指標として考えていくことが良いと思います。

だって家は、車や家電製品とは違って、
建ててしまってから、
「暑かった!寒かった!電気代が高かった!」と後悔しても、
簡単に買い替えることはできませんからね…。

特に、住宅の質を左右する、

「耐震性」(言わずもがな…ですが。)

「省エネ性」(断熱・気密)

「耐久性」(いかに長持ちし、メンテナンス費用を抑える家にするか)

…については、
新築時に安易に先送りしてしまうと、
将来リフォームで改善するにしても
非常にコストがかかる要素です。

 

私たちアンカーホームデザインは、
30年後、40年後も「この家を建ててよかった」
と感じられる家を届けていきたいと考えています。

以上、この先後悔しない、失敗しないための、
シン・高断熱高気密のお家についてのお話でした。 【完】